この記事は、スロプロであり、親友である友人にインタビューした内容を記したものである。
尚、記憶を辿りながら書き起こしている為、機種や年代に多少の誤差があるかも知れないが、そこは許容していただいた上で楽しく読んでいただければ幸いである。
第七章まで、ハイエナについてご紹介してきたが、この章でハイエナ編は完結となる。
本章では、日々ハイエナをしながら稼ぎ続ける私の元に、弟子入りを志願してくる子たちと、その末路について記述していく。
この章から読み始めた読者の方は、下記のリンク先より第一章からお読みいただくことが出来ます。
インタビュアー showタイム編集長
ルーチンワーク
前日閉店時の各店舗のデータを収集し、全てを把握した状態で毎日欠かすことなく朝一から打ち始める。
私自身でハイエナ台を片付けている間も、常にiPhoneでサイトセブンを確認しながら打ち続けている。
目を付けている他店舗のデータを常にチェックし、他店舗でハイエナが狙えそうな回転数の台が出てきたら、待機させている打ち子に電話をしてその店に向かってもらったり、私が打っている台を打ち子に任せ、自身で他店舗に直行することもあった。
同じ専業との連携プレー
私と同じく専業で活動している知り合いがどの店舗にも必ず一人はいるので、全台系や高設定が空いたなどという連絡は常に取り合っていた。
自分と同じ専業からの連絡は、サイトセブンで見ている俯瞰的な情報よりも信頼度が高いので、連絡が入った時には自分がすぐ動けるような態勢が取れるよう、常に打ち子は複数確保していた。
なぜそんなことが出来るのか?というと、打ち子と言うのは特にスロットに深い知識が必要というわけではなく、基礎的な知識があって、目押しが出来れば誰でも良い。
尚且つ従順なメンバーによって構成されていた。いつ電話をかけてもすぐに動けるような、定職につかず、いつもフラフラしているような、会社勤めは務まらないようなメンツを確保していた。
以前の章で、私はコミュ力が高い方だと話したことがあるが、ネットワークの広さには自信がある。人脈があってこそなせる業だと思う。
弟子入り志願
私が一定期間同じ店舗に通い続けると、いつも決まってこのように言ってくる子が現れる。
みんな専業に憧れを抱いているようだ。
これまで「弟子にしてください」と声を掛けてきた子は数知れず、いつも私がドル箱を積み上げている光景を目の当たりにしていた子や、打ち子として雇っている子から申し出を受けることもあった。
そういった子たちには、まず数日間に渡って側近として打ち子に就かせる。日々の活動の中で高設定の取り方、ハイエナの仕方、その他色々なスロットに関する知識について、打たせながら教育していく。
すると、ある期間を過ぎると決まって同じような思考に辿り着くらしい。
打ち子をしていると、毎日のようにドル箱を積に上げることになるので、あたかも自分の実力で出しているかのような感覚に陥り、優越感を感じるようになる。ドル箱を積み上げていると周りのお客さんから
と話しかけられたりするが、そういった状況が、私の打ち子だから出せているのか、自分の実力で出しているか、分からなくさせてしまうようである。
甘すぎる勘違い
そんな日々を送るうちに「自分はもう専業でやっていけるのではないか?」と錯覚し、弟子入りして一ヶ月程度しか経っていないにも関わらず、
と言ってくる子が多数いた。
こちらとしては、打ち子は他にいくらでも控えているので、そう言ってくる子たちを特に引き留める必要もなく、
と言って卒業させてあげるのだが、その大半が一ヶ月も経たないうちに
と言って泣きついてくる。これまで多くの打ち子兼弟子を育ててきたが、自分の元を巣立っていった中で、専業となり今でも稼げている子は、片手に収まる程度である。
それも当然と言えば当然の結末である。
私が教えているのは基本的な知識のみであり、専業として稼ぎ続ける上での芯の部分というものは、私がこれまで積み上げてきた膨大な努力とデータにより形成されているものである。
それは、たった一ヶ月程度打ち子をしたくらいで習得できるような情報量ではない。
専業というのは、機種ごとの機械割を把握し、また機種ごとの設定判別方法も熟知している。常に高設定台を打つための戦略を立て続け、来る日も来る日も朝から並び、(三重県の場合)9時から24時までの15時間を通してぶん回し続ける。
専業として稼ぎ続けられるようになるまでに積み上げてきた絶え間ない努力を、一ヶ月やそこらでものに出来るのであれば、誰でも専業としてやっていける。
専業として生き抜く厳しさ
この業界で専業として稼ぎ続けるということがいかに難しいことなのか。
我々を見る世間の目は、娯楽のスロットを毎日打ち、楽に生きているように見られがちであるが、この業界で生き抜いていける人間はごく少数であり、年収500万円を越えることは稀である。普通のサラリーマンが年収500万円を稼ぐよりも遥かに厳しい世界なのだ。
パチンコ業界は今も衰退の一途を辿っており、それと同じくして業界で活動する専業たちも足を洗っていったが、これまでの絶え間ない努力も世間で認められることはない。何度万枚を出そうが、年収1000万円を超えようが、何の実績としても残らない。履歴書に書くことが出来ないのがスロプロという職業なのである。
スロプロへの道「弟子のルール」
私の弟子になる上で、必ず守らせるルールが一つだけあった。
私の元から卒業していくことは止めないが、弟子として伝えた設定の取り方、ハイエナの仕方などは、自分が使っている店のクセを教えるということでもある。
今後一人で活動していく際に、私が使っている店、また打ち子として仕事をした店には入店しない。というルールを。
それにも関わらず、ルールを破って私が使っている店で打ち、破門になった子が何人かいた。
もしルールを破った場合、自分がこれまで築き上げてきたネットワーク、権限の全てを行使し、二度と同じ店で打てなくする。ということを伝えていたにも関わらず…。
ハイエナ編「完」
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次回、番外編、第二幕をお送りしたいと思います。
第九章へのリンクは、公開され次第こちらに貼り付けします。