この記事は、スロプロであり、親友である友人にインタビューした内容を記したものである。尚、記憶を辿りながら書き起こしている為、機種や年代に多少の誤差があるかも知れないが、そこは許容していただいた上で楽しく読んでいただければ幸いである。
本編では、スロプロである彼が、初めてパチンコ屋へ行くことになった経緯からお伝えする。
インタビュアー showタイム編集長
自己紹介
まずは簡単に私(スロプロの友人を以下、私と称する)の自己紹介から。
年齢は30代後半、15年程スロプロとして生計を立ててきた。
現役プロの中では、古株に当たる年代ではなかろうか。
というのも、この業界では40代より上の世代は既に引退している人が多い。
最終学歴は高校卒。
(パチプロ、スロプロとは、ギャンブラーの一種で、パチンコ・パチスロから得る収入を主な収入源として生計を立てている者の俗称である。)
私には妻が一人、子供が4人いる。昨今では子沢山家族に分類されるのではないだろうか。家族6人、何不自由なく食べさせてきたつもりだ。
年収は多い時で1000万円程度稼ぐ時期もあったが、規制のかかった昨今では、600万円を下回るようになってきた。
スロプロとしては主に、三重県を活動の拠点としてきた。
三重県と言えば、名物オールナイト営業。大晦日から元日にかけて、最長で40時間営業する店もある。通常営業は9時オープン、24時閉店が一般的で、他県と比べて営業時間が少し長い。
スロットを始めたきっかけ
そんな私がスロットを始めるきっかけになったのは、高校一年生の頃のある友達の一言まで遡る。
ある日、前の席に座っていた友達が、今度お父さんとスロットを打ちに行くという話を聞き、一緒に着いて行ったことからスロプロとしての人生が始まった。
数日経った日の放課後、友達と友達のお父さんとパチンコ店へ行き、友達のお父さんの
という言葉を聞き、海物語というパチンコ台を打つことになった。全く知識のなかった私は訳も分からないまま適当に台を選び、とりあえず打ってみることにした。
という簡単な説明だけを残し、友達と友達のお父さんは、スロットコーナーへと消えて行った。
私のパチンコ屋デビューはスロットではなく、パチンコだった。
その日、5000円しか所持していなかった私は、何も分からないまま打ち始めると、1000円、2000円があっという間に消えていった。私は
と心の中で呟いていた。これが初めてパチンコを打った時の感想だったことを覚えている。
そんな事を思いボーっとしながら打っていると、気が付くと図柄が3つ揃っており、下皿に玉が払い出されていった。その時はまだ、下皿の玉をドル箱に移すことを知らず、次第に一杯になっていく下皿から玉が溢れかえってきた。慌てて友達の元へと走った私は
と伝えた。
すぐに駆けつけてくれた友達が、
と教えてくれた。
と聞かれ
と答えると、友達が
と教えてくれた。
内心「へー」くらいにしか思っていなかった私に友達は
と言い残し、スロットコーナーへと戻って行った。
すると、友達の言った通りすぐに当たりを引き、その後もしばらく当たりが続いた。当時、当たりを引くと店員を呼んでドル箱を交換してもらうことを知らなかった私は、当たりを引く度に、隣の空き台からドル箱を取っていった。すると、様子を見に来てくれた友人が笑いながら私にこう言った。
そんなことがありながら、8箱ほど出した私は出玉を換金することにした。その日の換金額はおよそ5万円になった。
「すごい!5千円の所持金が5万円になった。こんなに簡単に稼げるなら、もうバイトなんてしなくていいじゃん!」
翌日の放課後には一人でパチンコ屋へと向かっていた
そんな風に思っていた私は、翌日の放課後には一人でパチンコ屋へと向かっていた。
しばらく同じ機種を打ち続け、そこから数日間で勝ち越した結果、所持金は20万円程度にまで増えていた。「パチンコって簡単にお金が稼げるんだ。」と浮かれた気分になっていた。
するとある日友達が
ということを教えてくれた。
その時の私は高校一年生。本来、土日を除いてパチンコの朝一に行くことは出来ないのだが…。
翌朝「とりあえず朝一行ってみて、負けたら学校に行けばいいか。」と考えた私は、原付のトランクに制服を入れ、パチンコ屋へと向かった。(余談であるが、校則では原付登校はおろか、免許を取ることさえ許されていなかった。インタビュアーの私の家が彼の高校の近くであったことから、私の家に原付を停めて登校することもしばしばあった。スロプロの彼曰く、登校時制服で原付に乗るのは割とハラハラしたらしい。)
すると店の前には、作業服を着て手袋を手にした無愛想なおじさん達が6人並んでいた。
おじさんと言っても、今の私からすると同年代くらいだったのかも知れない。
「負けたら学校へ行こう。」そう心に思い朝一に通うようになったのであるが…。
結局のところ私はしばらく朝一に通い続け、トータルで勝ち越していった。
その日、海物語を確保してからトイレへと向かうと、朝店の前に並んでいたおじさん達が皆、スロットコーナーでメダルを出している光景が目に飛び込んできた。
その時私は、初めてスロットに興味を持つことになる。
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第二章へつづく。